晩秋に聴くグループ・サウンズ ラスト・シングルあれこれ
[ よもやまばなし ]
2008年11月06日
すっかり肌寒くなって参りました。
こんな季節の夕暮れどき
センチな気分で聴くのは
いろんなグループサウンズのラスト・シングル。
多くのグループがブームの衰退に伴い
1970年の秋頃にはラスト・シングルを発表、
翌71年に解散を迎えています。
晩秋の黄昏はそのままGSの黄昏でもあったのです。
王者・タイガースは『誓いの明日/出発のほか何がある』
という前向きなメッセージを両面に込めた曲をリリース。
しかしジャケットは薄暗い(夕暮れ?夜明け前?)駅のホームで
「出発」を待つ5人。やはり寂しさは隠せません。
翌71年1月のラスト・コンサートにおける涙・涙の模様は
ジュリーの大変礼儀正しいMCもそのままに
アルバム⇒CD化されております。
松崎由冶さんという傑出したソングライターを
リーダーに持つテンプターズからは
松崎さん渾身のラスト・メッセージ『若者よ愛を忘れるな』
「作曲の際は田圃のなかで泣きながら作る」
という伝説を持つ松崎さんらしく、
途中『ふるさと』の一節を挟みながら、
ショーケンとはまた違った魅力に溢れる
熱唱を聴かせてくれます。
セブンスの入らないマイナー進行は嫌い、という
ムッシュのセンス際立つスパイダースは、
湿っぽさとは無縁の、ほとんどコミックソングというか
ジャン&ディーンの替え歌というか、
人を喰った『エレクトリックおばあちゃん』を発表。
さらに制作途中のまま未発表に終わったそうですが、
『オメデトウゴザイマス』という解散記念シングルを出す予定だったとか。
スジガネ入りであります。
ラストアルバム「ロックンロール・ルネッサンス」では一瞬
激渋ニュー・ロック化を見せておりましたが
やはりメンバーそれぞれのソロ活動の方に重心が移っていきました。
しかしなんと云っても、数あるGSラスト・シングルで
ワタクシ、ノックダウンさせられたのはオックス。
浪花のブライアン・ジョーンズ(?)赤松愛さんが
「ジョン・レノンの弟子になる」との理由で脱退した
以降のシングルは、そのタイトルを順に並べていくだけで悶絶必至。
『ロザリオは永遠に』 (敬虔&純真ですね・・・)
『神にそむいて』 (えっ、前言撤回?)
『許してくれ』 (いや、謝られても・・・)
『僕をあげます』 (別にそこまで云うてへんがな・・・)
そしてラストシングル『もうどうにもならない』 (・・・・・)
ヴァースでは暗くボソボソとメンバーのユニゾンによる歌唱が続き
サビで野口ヒデトさんがハスキーに絶唱、キメの
「もう、どぉ~お~にも、なっらぁ~なぁ~あいぃ~♪」の最後、
意識が遠のくように「いぃぃぃ・・・・Ah・・・」と、
声が擦れていくのが堪りません。
最後の台詞「さよなら・・・」の言い方も絶妙すぎます。
退廃や倒錯、とまでは云わずとも、
イケナくも甘いフィーリングをファンと意識的に共有し
「共犯関係」を作りあげ、しかも商業的に成功したグループは
彼等が初めてだったのではないでしょうか。
もちろんそこには制作スタッフの思惑もあったのでしょうが、
その思惑を200%超え、前人未踏のなんだかスゴイことに
なっているバンドの技量は驚嘆に値します。
彼等の解散は71年5月、派手な解散コンサートは止して
自らの出発点、ジャズ喫茶での解散を決定、
3日間連続15ステージが最後でした。
・・・って一日5ステージっすか?!!!
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